削る余地ゼロまで。
鬼おろし保障シミュレーター
遺された家族が「最低限の暮らし」を最後まで回すのに、保険はいくら要るのか。公的保障と手元のお金を先に差し引き、足りない分だけを出します。足すための保障分析ではありません。削れるものを全部削って、最後に残った保障額だけを計算します。相続税は考えません。
このツールは何をするものか
生命保険の必要保障額(死亡保障額)を計算する、無料のWebツールです。一般的な保障分析は、遺族に必要なお金を積み上げて保険を「足す」考え方です。このツールはその逆で、公的保障と手元のお金で賄える分をすべて先に差し引き、それでも足りない分だけを「最低必要保障額」として求めます。
賄える場合は、結果は0円になり「保険不要」と表示されます。
計算の手順
- 遺された配偶者が設定した年齢(初期値90歳)になるまで、毎年の収入を出します。収入は、遺族基礎年金(子の加算を含む)、遺族厚生年金、中高齢寡婦加算、遺された配偶者の手取り(額面年収から自動計算・64歳まで)、児童手当、家を貸した場合の家賃収入、65歳からの本人の老齢年金です。
- 毎年の支出を出します。支出は、最低限の生活費(遺された配偶者1人分と子ども1人あたり)、教育費(小学校から高校は公立、大学は国立・私立・下宿を選択)、住居費です。
- 毎年の収支を積み上げ、累積の残高が最も深く沈んだ時点の不足額を求めます。後の年の黒字では、それより前の赤字を埋められないため、合計ではなく最も深い時点の不足額を使います。
- 手元のお金(預貯金から医療用の取り分けを除いた額、死亡退職金・弔慰金、家を売った場合の手取り)から葬儀費用を引いた額を差し引きます。残った額が必要保障額です。マイナスになる場合は0円(保険不要)です。
住まいの選択肢の比較
持ち家の場合は「住み続ける」「売って安い賃貸へ」「売って実家へ」「貸して安い賃貸へ」「貸して実家へ」、賃貸の場合は「今の賃貸に住み続ける」「安い賃貸へ移る」「実家へ移る」の選択肢ごとに必要保障額を計算します。結果には、必要保障額が最も小さい住まいを使います。持ち家は団体信用生命保険(団信)で住宅ローンが完済される、またはローンがない前提です。
医療保険・がん保険の考え方
入院・手術は、高額療養費制度により1か月の自己負担に上限があるため、保険に入らず貯金で払う「自家保険」を基本にします。上限いっぱいの入院が半年続いても払える額を、手元のお金から医療用として自動で取り分けて計算します。最低限の入院保障を持つ選択もできます。
がんは、公的保険がきかず全額自己負担になる自由診療の実費補償と、通院の交通費など治療費以外の出費を埋める最低限の診断一時金だけを持つ考え方です。
入力する項目
- 夫婦
- 亡くなる人(夫または妻)、夫と妻それぞれの年齢・額面年収・働き方(会社員・公務員か、自営業・フリーか)
- 子ども
- 子どもの年齢(人数分)。子どもなし、または成人の場合は入力不要
- 暮らしの最低ライン
- 遺された配偶者1人分の月の生活費、子ども1人あたりの月の生活費、大学まで出すか(私学・下宿の有無)
- 住まい
- 持ち家か賃貸か、維持費・売却の手取り・貸した場合の手取り家賃・今の家賃・安い賃貸の家賃・実家の有無と住居費負担
- 手元のお金
- 預貯金・金融資産、死亡退職金・弔慰金、葬儀・整理費用
- 前提
- 児童手当を収入に入れるか、遺族年金をいちばん厳しく見積もるか、遺された配偶者が何歳まで生きる想定か
計算の前提と使っているデータ
- 公的年金は令和8年度額。遺族基礎年金847,300円、子の加算は2人目まで各243,800円・3人目から各81,300円、中高齢寡婦加算635,500円。
- 遺族厚生年金は在職中の死亡として加入300月(それ以上は実際の月数)でみなし、平均標準報酬額は額面年収÷12で近似。
- 遺される配偶者の年収が850万円以上の場合は、今の制度の生計維持要件により配偶者としての遺族年金はない前提。
- 2028年4月施行の遺族厚生年金の見直しは、選択時に今の制度と改正後のうち不足が大きいほうで計算。
- 手取りは額面から社会保険料・所得税・住民税を引いた概算。老齢年金は今の額面を22〜65歳の平均とみなした概算。
- 高額療養費は2026年8月からの自己負担上限額。
- 教育費は文部科学省「子供の学習費調査」(令和5年度)、私立大学は文部科学省の令和7年度入学者の学生納付金等調査、下宿の生活費は全国大学生活協同組合連合会の学生生活実態調査の平均。
- 物価上昇と運用益はゼロとして計算。
このツールが扱わないもの
- 相続税・相続対策
- 団体信用生命保険のない住宅ローンの残債
- 児童扶養手当、ひとり親控除などの制度(受けられれば結果はさらに有利になる)
- 遺族厚生年金の改正後の継続給付・死亡分割
- 具体的な保険商品の比較や保険料
よくある質問
- 一般的な必要保障額の計算と何が違うのですか?
- 一般的な保障分析は、遺族に必要なお金を積み上げて、その分の保険を足していく考え方です。このツールは逆に、遺族年金や児童手当、遺された配偶者の収入、手元の預貯金、死亡退職金、住まいの売却・賃貸などで賄える分をすべて先に差し引き、最低限の暮らしにどうしても足りない分だけを出します。そのため、結果が0円(保険不要)になることもあります。
- 「保険不要」と出たら、本当に死亡保険はいらないのですか?
- 入力した生活費・住まい・年金制度の前提のもとで、遺された家族の最低限の暮らしが最後まで回るという意味です。生活費を多めにしたい場合や、2028年の遺族年金改正の影響を厳しく見たい場合は、前提を変えて結果を確かめてください。
- 表示された金額は、誰にかける保険の金額ですか?
- 「亡くなる人」として選んだ人を被保険者とする死亡保険の保険金額の目安です。必要な額は亡くなる時期が遅いほど減っていくことが多く、その場合は受け取り総額が年々減る収入保障保険の形が合います。
- 2028年の遺族年金の改正は反映されていますか?
- 2028年4月から、子のない60歳未満の配偶者が受け取る遺族厚生年金は原則5年の有期給付になる方向です。「遺族年金を、いちばん厳しく見積もる」にチェックを入れると、今の制度と改正後の両方で計算し、遺される人にとって不足が大きいほうを使います。改正後の救済措置(継続給付・死亡分割)は計算に入れていません。
- 入院保障やがん保険はどう考えるのですか?
- 入院・手術は、高額療養費制度で1か月の自己負担に上限があるため、保険に入らず貯金で払う自家保険を基本にします。その分の現金は、手元のお金から医療用として自動で取り分けて計算します。がんは、公的保険がきかない自由診療の実費補償と、治療費以外の出費を埋める最低限の診断一時金だけを持つ考え方です。